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最高裁判所第一小法廷 昭和41年(オ)1129号 判決 1967年3月23日

上告人(原告・控訴人) 浅野源一

右訴訟代理人弁護士 橘川光子

被上告人(被告・被控訴人) 株式会社東邦銀行

右訴訟代理人弁護士 堀切真一郎

被上告人(参加人・被控訴人) 粂田朝子

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人橘川光子の上告理由第一点について

所論の指摘する調停には被上告人粂田朝子が当事者になっていないのであることに徴しても、原判決に所論の審理不尽の違法があるということはできない。論旨は採用できない。

同第二点について

本件定期預金債権が被上告人粂田朝子に贈与する以前上告人と訴外オヒサの共有であった旨の原判決の認定は、原判決が挙示の証拠により認定した事実関係および原判決挙示の証拠により肯認できるから、原判決に所論の違法はない。論旨は採用できない。

同第三点について

上告人と訴外武田ヒサ子は、被上告人粂田朝子の結婚に際し、本件定期預金債権を持参金として贈与した旨の原判決の事実認定は、原判決挙示の証拠により肯認できるから、原判決に所論経験則違反、審理不尽の違法はない。論旨は採用できない。

同第四点および第五点について

原判決は挙示の証拠により被上告銀行が、判示債権譲渡の行われた後被上告人粂田朝子からの本件定期預金債権の満期毎の書替えや利息支払いに応じて来た事実を認定し、右事実により、被上告銀行が判示定期預金債権が上告人および武田オヒサより被上告人粂田朝子に譲渡されたことを承諾した事実を認定したものであって、右判断は肯認できるから、原判決に所論の違法はない。論旨はいずれも採用できない。

(裁判長裁判官 松田二郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 岩田誠 裁判官 大隅健一郎)

上告代理人橘川光子の上告理由<省略>

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